【2025年版】独身税はいつから?会社員・自営業に影響する「子ども子育て支援金制度」を調べてみた

独身税

少子化対策の一環として2026年4月から導入される「子ども子育て支援金制度」が、通称「独身税」として各所で話題になっています。

厳密には税金ではなく、社会保険料に上乗せされて徴収されるものです。

会社員・自営業者ともに、国民健康保険を通じて社会保険料に上乗せされる形で徴収されるため、「知らないうちに手取りが減っていた」ということにならないよう、いつから・誰が・いくら負担するのかを理解していきたいと思います。

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独身税とは?正式名称は「子ども子育て支援金制度」

「独身税」と呼ばれる今回の制度ですが、正式名称は「子ども子育て支援金制度」です。

「子ども子育て支援金制度」は、日本の少子化問題が深刻化する中、「子育てにかかる負担を社会全体で支えよう」という目的で導入されました。

ポイントは、これは税金ではなく社会保険料に上乗せして徴収される仕組みだということです。

参考:こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」

なぜ「独身税」と呼ばれているのか

制度の理念は「社会全体で支える」ですが、実際には子どもを持たない独身世帯が負担だけを強いられる構造となっています。

既に子育て中の世帯には手当が増えますが、子どもがいない人には何の支援もありません。

結果として「独身者だけが損をするのでは」という批判が出ているわけです。

実際には全世代が負担するため、既婚・独身に関わらず負担は発生しますが、恩恵を受けるのは現役子育て世帯が中心です。

この点、「今は独身だけど、これから結婚して子供を持つ人たち」を恩恵の対象としていないため、「日本国として子供を増やす」という政策としては、個人的にはあまり効果がないのではと考えています。
(独身だからって金を取り上げられたら、経済的に、ますます結婚しようと思わない)

私はリーマンショック世代で、20代前半は給料が15万円もないブラック企業で労働していました。
その心理で考えると、結婚するまでに社会保険料でお金を取られ過ぎて、特に20代の人は、結婚を考える余裕がない状態になると思っています。

会社員も自営業も対象|社会保険料に上乗せされる仕組み

会社員の場合は、健康保険料や介護保険料と同じく、給与から天引きされます。

社会保険料は雇用主(会社)も同額を負担する仕組みのため、企業側の人件費負担は確実に増加します。

その分、将来的な昇給や採用計画の見直しを余儀なくされる可能性もあります。結果として、20代などの若手の人にしわ寄せがいく可能性があります。

また、フリーランスや自営業者の場合は国民健康保険に支援金が上乗せされて徴収されます。

実際にいくら払う?負担増のシミュレーション|年収別の試算例

現状の試算では、支援金の負担額は年収に応じて異なります。

例として、2028年度における会社員の負担モデルを見てみましょう。
(こども家庭庁の資料を参考)

年収月額負担年間負担
200万円約350円約4,200円
400万円約650円約7,800円
600万円約1,000円約12,000円
800万円約1,350円約16,200円
1,000万円約1,650円約19,800円

これは従業員負担分(既に折半した金額)のみであり、従業員負担分と同じだけ会社も負担しますので、中小企業にとっては雇用コストの増加が避けられません。

独身税に反対する声が多い理由

私個人的によく耳にする・感じるのは、負担増のタイミングと恩恵の偏りへの不満です。

具体的には、以下のとおりです。

  • 若年層の結婚・出産のハードルをさらに高める
    子どもをこれから産むかもしれない若年層にとっては、手取りが減り結婚・出産のハードルが逆に上がる。
  • 独身世帯にとって「恩恵がなく負担だけ増える」
  • 社会保険料に上乗せされるためいつの間にか取られている感じになる
    税金として明確に徴収されるのではなく、社会保険料に上乗せされる形のため、多くの人が制度を理解しないまま手取り減を実感します。
  • 企業の人件費負担が増加し、雇用に悪影響を及ぼす
    特に20代などの若い人たちの所得や雇用に影響が出る可能性あり。
  • 本来支援すべき層に十分な効果が届かない可能性
    「既に子どもを持つ世帯」への手当拡充だけでは、これから出産を考える層へのインセンティブが不十分との指摘があります。

こうした点が「少子化対策としては逆効果なのでは?」と反対意見につながっています。

本当に必要な支援はどこにあるのか

私見としては、今の独身税の制度で、本当に少子化対策になっているのかは疑問があります。

個人的には、特に必要なのは以下の2つと考えています。

  • これから結婚・出産する世代(20代・30代前半)への所得支援
  • 若年層の雇用安定と賃金底上げ

「社会全体で支える」という理想を形にするには、負担の公平性と支援先の優先順位をもっと考えるべきだと考えます。

今の独身税だと、「そもそも支援すべき若い人達からお金を取る」という謎の構造になっており、少子化の根本解決にはならないと思います。

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